読むことの大切さ

望月勇先生の高野山と熊野古道を読んで (1)

今回は望月先生のエッセイで特に気に入りました箇所を順番に引用しながら、独自の感想を書かせて頂きました。

「折しも、沛然として雨がふった。」

いきなり雨音から入る望月勇先生のエッセイに、今回とても惹きつけられました。いつ、どこで、などの前置きから始まるのではなく、瞬時に読み手の五感と第六感が研ぎ澄まされるからです。そしてその激しい雨音は、普段私達が日常的に耳にして受け流しているものではなく、過去の「空海も耳にしたであろうこの太古の雨音」に、「現在、未来が重なって、同時に時空を超えて存在している」異次元のものであるため、読んでいてどこか霊的で、ぞっと致しました。


「自分の心の中に、雨音があると納得した時、雨は、私の心の中で進行中の完璧な作品だと思えてきた。それは、ダイナミックに変化し、常に完璧さを映し出していた。」

おそらく、先生は深い瞑想をされながら、雨そのものへと一体化されていったのではと感じました。人間が抱く様々な人生の苦悩の雨が降り注ぎ、そしてそれらは先生の瞑想と共にどんどんと浄化され、次第に雨の音も色も大宇宙の美しさへと七変化していくように感じ取られました。


「この完璧な宇宙の中では、人生の失敗や過ちの中にも、美しさや完璧さを見つけられることを意味している。なぜなら、それらが私をさらに深い気づきへ導いてくれるからである。」

雨音に吸い込まれながら、私も心身デトックスされていくような不思議な感覚に襲われました。

「私は、心の中の宇宙を観察し、思い描くことで、自分にとって最善のものを引き寄せ、それは宇宙の為に私ができる最善のことであった。」

ああ、これが望月先生の世界観であり、気功に於ける宇宙規模のミッションなのだなと、その雄大なスケールと奥深い美しさに改めて感動しました。先生の文章が本当に神秘的で、大宇宙に吸い込まれていきます。 


「日本の古来からある手つかずの森には、ハイパーソニックサウンドという音がでているという。高周波で人間の耳には聞こえないけれども、その波動には脳機能を高め、免疫力の向上やストレスの軽減、認知機能の向上など様々な効果があるという。」

森林には精霊が宿ると西欧でも古来より言われておりますが、ハイパーソニックサウンドのような特別な周波が放たれていることに大変関心を抱きました。やはり森林浴は「アルファー波効果」もあって、心身浄化され癒されるのでしょうね。そういう森林が今後も保護されていくことを願います。


熊野古道を歩くのは、本来こうでなければならないと感じた。無言で歩くところに意味があり、談笑しながら歩いてはダメなのである。

確かにひとりで無言で歩かない限り、色々な雑音が入ってきて、五感と第六感や感性が研ぎ澄まされることはないのでしょうね。また、自分自身とも静かに向き合えないため、マインドフルなウォーキングにはならないですよね。