2017年11月チベットとネパール思索の旅

チベットとネパール思索の旅 (1)


叩けよ さらば開かれん

 私は、小学校の頃から、自分は何ものだろうか、という疑問を抱いてきました。幼児から病弱なこともあって、死が怖かったので、いつの間にか自分と向き合うクセがついたのかもしれません。
 そのような自分との向き合い方をしているうちに、必要があれば、自分が何者であるかを誰かに知らされるだろう、と漠然と思い込んできました。サラリーマンになった時も、心のどこかでこのままでは終わらないと感じていました。そして5年間の放浪の旅に出たのも、自分と向き合い、問い続けた結果でした。「叩けよ さらば開かれん」 というイエスの言葉は、私にとって真実になりました。突然起きた出来事で、自分の隠されていた一部分が、私に知らされたからです。そして、それを検証する旅が、今回のチベットとネパールの旅の意味のように思われます。


旅のはじまり

 2017年10月のある日、私は11月初めにチベットとネパールへ旅する計画でしたので、ヨーガの生徒さんから、突然、
「先生、チベットは何年ぶりですか?」 
と問われて、とっさに、
 「300年ぶりです」 
と答えました。答えてしまってから、私はチベットの旅は初めてなので、自分がそう答えてしまったことに少し当惑しました。


輪廻について

 そのように答えてしまったのには、訳がありました。昔、ロンドンで私の気功の施術を受けた男性が、トランス状態になり、私個人のことを話し始めたことがありました。それは、私の前世に関する話で、それが本当かどうかは、私は知る由もありませんでした。
その話の内容の一つは、私が300年前に、南チベットで生まれたこと。そして、私がヒマラヤの洞窟でヨーガを修行していたこと。今生では、それを人々に教える役目があることなどでした。
 二つ目は、将来私のヨーガが、日本列島の南から北へ広がること。
 三つ目は、私が前世でアラビア人として生まれたことがあること、などでした。

 その男性の声の主が、(ちょっと腹話術のようなこわねでしたが)、『私は彼の守護霊です。彼のぎっくり腰を治してくれてありがとう』、とお礼を述べて、『上の人のゆるしを得て、話していいところまで話します』、と言って、急に早口でぺらぺらとしゃべり始めたのです。
私は、ただその話を呆然と聞いていました。心の中で、時々、「本当かな?」 と疑問を持つと、その声の主は、私しか知らないことを言うのでした。そして月日が経つと、その話は、どこか遠い夢で聞いた話のような感じで、いつしか忘れてしまいました。

 それから数十年が経ち、私のヨーガが、ロンドン、ミュンヘン、スイスへ広がり、そして九州から北海道まで日本列島の10カ所に拠点ができたころから、あの予言めいた言葉が思い出されたのです。

 実は、あの声の主の言葉を聞いてしばらくしてから、不思議なことがあったことを、今思い出しました。
 ある日、ミュンヘンで気功の施術を受けに来た女性が、この本を先生に見せなさい、という声がしたので持ってきましたと言って、差し出された本を私は受け取りました。
 それは、分厚い人名辞典のような本で、インドと周辺の国々の昔の修行者を、絵図や写真入りで紹介してある珍しい本でした。 それを、夜枕元に置いて寝ていたら、風もないのに本がパラパラとめくれる音で目が覚めました。スタンドを点けて本のページを見ると、そこにはクリシュナ神の幼児の絵が載っていました。また、風もないのにパラパラとページがめくられて、今度は髭を生やした修行者の絵が現れました。あまりにも気味が悪かったので、その本を閉じて他の部屋へ移しました。

 もう一つは、アラビア人に関するできごとです。ドバイに住む肝臓がんのアラビア人が、気功の施術を受けたいといって、自家用ジェット機でロンドンへやって来ました。彼は、ロンドンへ着いた日と、その翌日の朝、気功の施術を2回受けて、米国のマウントサイナイという病院へ入院して検査を受けました。すると、肝臓がんがない、というのです。紹介者の話では、もう一度入院して再チェックしたが、肝臓がんはやはり見つからなかったというのです。その後に、中東からアラビア人たちが、私の施術を受けたいと言って十数名次々にロンドンへやって来ました。

 またある日、ドバイの王様からメールがきて、家族の病気を治しに来て欲しいと依頼がありました。またある日は、中東のある銀行の頭取をしている男性が、ロンドンへ行って施術を受けたいと連絡がありました。その人の名前をグーグルで検索したら、米国で50人に入る大富豪とあり、米国、中東とロンドンを拠点に活動している実業家だと分かりました。また、中東の女性たちから遠隔治療を頼まれて、気を送ってあげることになりました。すると、この人たちが、奇跡的に効いたのです。ほんとうかな、と思うのですが、その治った姿を見た友人たちが遠隔治療を次々に依頼してくるので、奇跡的な治癒はウソではないと思います。その時アラビア人は、なぜ奇跡的に効くのかなと思ったのですが、そういえばあの声の主が、私が前世でアラビア人として生まれたことがあると言ったことを思い出しました。まだこの他にも、ヨーロッパ在住のアラビア人やパキスタンから来た白い髭を伸ばしたイスラムの聖職者を施術しましたが、これらの人たちと私は、前世で何等かのご縁があったということなのでしょうか。
 以上のようないきさつがありましたので、今回のチベットの旅は、自分が一体何者であるのかを知る機会になるかもしれないという、わくわく感がありました。

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