心とは何かを探し求めて

心とは何かを探し求めて 5


東洋思想に近づく量子論

 人によっては、宇宙と一体になるなんて妄想だ。死んだら、何もかもなくなってしまう、無だ。死んだら一巻の終わり、という人がいるかもしれません。
 ところが量子論では、「量子もつれ(エンタングルメントEentanglment)」 ということが発見されて、私たちの身体を構成している原子は、全世界の人々、地球、太陽系、銀河系と 「量子もつれ」 でつながっていることが分かってきました。
 また、意識(魂)は宇宙へ還ることが、最新の量子論で考えられています。
 ロジャー・ペンローズは、英国の数理物理学者で、ブラックホールの存在を証明しました。その功績でノーベル物理学賞を受賞しました。アインシュタインはブラックホールを予言しましたが、彼自身はそんなものは存在しないと信じていなかったのですが、ペンローズがそれを証明したのです。実際、ブラックホールは存在し、最近写真撮影にも成功しました。
 天才中の天才と言われているペンローズは、意識についても興味を持っていたので、臨死体験における意識を研究していたスチュワート・ハメロフ博士と共同研究を始めました。二人は、脳活動と意識の関係性を共に研究して、「魂とは、宇宙につながる量子コンピュータ」ではないかと主張しました。脳細胞の中には、分子レベルまたは超分子レベルのマイクロチューブル(微細管)という構造があり、そこが意識機能を担っていて、脳内の意識が 「量子もつれ」 によって、死んでも意識は消えてなくなるのではなくて、広く宇宙全体に存在するというのです。言ってみれば、死んだら意識は宇宙にbackupされるということです。
 その宇宙にbackupされた意識が、新たに生命体に入れば、転生となり、生まれ変わりとなるのですが、それまで意識は宇宙に存在した状態のままでいるということです。これは、東洋の輪廻転生と似ていますね。

 現代人には、死んだら何もかもなくなる、意識もすべて無になるということが、死の恐怖の一番の理由です。
 現代人は、科学的な証明がないと、ものごとを信じられないという性格をもっていますので、量子論には説得力があると思います。
 量子論では、意識は消えてなくなるのではなくて、宇宙に広がり、また帰ってくると主張しています。量子論によって、東洋の考え方が証明されつつあるのです。
 インドには、この世界の出来事は、すべてアカシックレコードによって記録されていると言ってきました。今までの素晴らしい発見や発明は、発見者や科学者によって、夢や明け方のボーッとしている(脳科学でいうデフォルトモード)時に起きています。つまり変性意識状態で発見しています。その変性意識状態は、アカシックレコードにアクセスして、発明や発見を手に入れる方法なのかもしれません。

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