三井さんの死が教えてくれたこと

三井さんの死が教えてくれたこと 5


量子真空
 量子論によれば、この宇宙は、138億年前、ビッグバン(大爆発)によって誕生したといわれています。その前には、何もなく、ただ真空だけがあったというのです。この真空を、専門用語で、「量子真空」というそうです。

 私たちは、真空というと、何もないと思ってきましたが、実は 「真空」 の中に、量子論では、莫大なエネルギーが潜んでいることが明らかにされました。そしてこの 「量子真空」 のエネルギーは無限で、この場に、この宇宙のすべての出来事のすべての情報が、波動情報として、ホログラム原理で記録されているといいます。

 この宇宙にある物質は、すべて原子や素粒子によって構成されていて、「エネルギーの振動」であり、「波動」にほかならないというのです。固くみえる物体も、エネルギーの波動にすぎないのです。
 これは目に見える物質だけではなく、目に見えない意識も、すべてエネルギーであり、波動であるというのです。

 この考え方は、古代の東洋的な思想にも見られます。仏教の唯識です。意識の一番奥に、「阿頼耶識(アラヤシキ)」があり、過去のすべての出来事と、未来のすべての原因が眠っているという考えです。古代インド哲学の 「アーカーシャ」 は、宇宙のすべての情報がアカシックレコードとして記録されていると考えます。
 またホログラム原理では、一部の波動から全体情報を取り出すことが可能です。これは、仏教の経典 「華厳経」 の 「一即多 多即一」 や、英国の詩人ウイリアム・ブレイクの 「一粒の砂の中に、世界をみる」 という詩にも見られます。

 こうして見てくると、私たちの意識の不思議な体験は、「量子真空」 につながることによって起きているようです。前世を記憶していたり、霊媒が死者と交信したりする不思議な出来事も、死んでも意識は量子真空に残り、そこに残された意識とつながれば前世の記憶がでてきてもふしぎではありません。量子真空から必要な情報や知識や叡智を引き寄せることができると考えられるからです。
 ノーベル賞学者のペンローズの量子脳理論は、そのことが脳の超分子レベルでのマイクロチューブル(微小管)で起きるといっていますが、私は脳だけでなく皮膚や内臓の細胞、つまり肉体全身で 「量子真空」 につながっているように思われます。こう考えると、「遠隔治療」(Remote Healing)は、不可解な怪しいもではなく、身体全体が量子的プロセスで量子真空につながり、そこから必要な治癒の情報を引き寄せているのかもしれません。

死んでも意識は宇宙に残る
 私は、人は死んでも意識は消えてなくなるわけではなく、意識は宇宙に残るという量子論を支持しています。ではどこに残るのかは想像がつきませんでした。ところが量子真空内の場所(ゼロ・ポイント・フィールドという)に、この宇宙のすべての出来事のすべての情報が、波動情報として、ホログラム原理で記録されているということを知り理解できました。このことを知ると、量子真空内の世界に、もう一人の自分が存在していると考えてもおかしくありません。死んで肉体はなくなりますが、意識は量子真空に波動として残るのです。

 それでは、どうしたら量子真空内から情報を引き出すことができるのでしょうか?世界の天才発明家は、発明や発見を、どのように思いついたのでしょうか?

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