コロナ禍の自粛生活で、想念を検証する

コロナ禍の自粛生活で、想念を検証する 8


活性化される細胞

 また幼児の無意識の記憶は、あなたの現在の考え方に応じて活性化されるのです。
 5歳の時に火傷を負った男性が、その当時の身体に起きた過去の不愉快な出来事を思い起こせば、悲しみや傷の痛みまで感じて、元気がなくなるでしょう。
 一方、あなたが喜ばしい身体感覚や身体的な記憶を思い起こせば、それを契機に充電されリフレッシュされます。
 最近、テレビで歌手の加山雄三の番組を見ました。脳梗塞で倒れ、リハビリしてまた復活し、舞台に立って歌を歌っていました。もう84歳になるそうですが、お元気そうで、お年にしてはずいぶん若々しく見えました。彼は、きっと昔の自分の歌を歌うたびに、当時の 「若大将」 のイメージを思い出し、いつもリフレッシュされているのでいつまでも若くいられるのかもしれません。


信念や観念を考える

 このように私たちの感情や想念は、私たちにさまざまな経験を引き起こしています。それが分かると、私たちは信念や観念によって自分自身を制限していることに気がつきます。
 決して信念や観念が悪いといっているわけではありませんが、特定の信念や思想を強く持ちすぎると、悪影響を及ぼすといいたいのです。自分が知っている領域だけに閉じこもり、自分の体験を制限してしまうからです。そうなれば結果的に、自分の可能性が狭められてしまうのです。

 たとえば人生は、悲哀に満ちているという観念をもっていると、悲哀に満ちた人生を送る可能性があります。
 また、宗教でいわれる肉体は低俗で、精神は高級なものであるという観念をもっていると、今生きている人生を楽しむことが難しくなります。そして、自分の信じている宗教だけが正しくて、他は間違っているという信念を持っていると、お祭りに参加するのが難しくなります。
 また、私の存在は身体で、肉体が滅びれば無になるという観念をもっていると、死ぬ間際に虚しさだけしか感じないかもしれません。
 また、自分は過去世で悪いことをしたために、罰せられなければならないという罪の意識を持っている人や、このカルマのせいで、私は人生のネガティブな面を受けいれなければならないという観念をもっている人は、ネガティブな面だけ背負って人生を生きることになるかもしれません。
 また、私は子供の時から病弱で、これからもずっとそうなるに違いないという観念をもっていると、病気で一生苦しむことになるかもしれません。

 このように特定の考え方を持っていると、自分の体験を制限してしまいます。自分の強い信念が、自分を狭めてしまい、自分の考えや、自分を支持するものだけが良いもので、自分が信じないものは良くないものになります。そうして自分の強すぎる信念にだんだん支配されていき、かえって自分に悪影響を及ぼします。
 反対に、この宇宙で分かっていることはたった5パーセントに過ぎず、世の中にはまだ分からないことの方が多くあり、否定しないで、自分が理解できないことは判断しないで、一旦受け入れるようにします。そして、無限の可能性の領域が広がることに、心地よさを感じるようになれば、自分が制限されることはなくなります。

 信念や観念を持てば、それらを抱いている人たちはそれなりの経験をします。その経験が信念や観念をより強化にしますが、実際は、信念や観念がその現実をつくりだしたのであって、その逆ではありません。やがて自分は不幸になっていくのだと思っていればそうなっていき、その不幸がさらにその観念を強化することになります。

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