石垣島のリラックス 5
竹富島
それから私たちは、西表島を後にして、竹富島へ向かいました。雨は止んで晴れてきました。
竹富町は、日本の最南端にある町として、岡本太郎や司馬遼太郎など著名人たちから絶賛された町の魅力がありました。隣にある石垣島の白保竿根太原洞窟遺跡から、約2万7千前の人骨が見つかっていますので、竹富島にも縄文時代から古代人が住んでいたと思われます。
パリ大学・ソルボンヌで民俗学を学んだ岡本太郎は、日本人のルーツに深い関心をもっていました。日本の原像の探究の一つが、縄文でした。その最後に行き着いた探究が、沖縄だったのです。そして、この昔の沖縄らしい風情が残る竹富島に、日本人のルーツを発見して、魅了されたのでした。岡本にとって 「それは私にとって、一つの恋のようなものだった」(『沖縄文化論』 のです。
竹富町では、水牛車に乗りました。白砂の小道、赤瓦屋根、重要伝統建造物、デイゴの花、ハイビスカス、ブーゲンビリアなど、色とりどりの花々が咲き乱れ、黒いサンゴ石を積み上げた両脇の石垣の道には、その石垣が見えないほどブーゲンビリアの花々が咲きほこっていました。その集落の風景は、沖縄の原風景でした。
それから、白い砂浜のコンドイビーチへ出かけ、サンゴ礁に囲まれた静かな海を前にして、自然に身をゆだねました。自然に瞑想に成りました。
翌日は、すっかり晴れ渡り、竹富島公民館をお借りして20名でヨーガをやりました。竹富島公民館は、天井と柱が伝統の沖縄建築の造りで、気持ちのいい場所でした。ここで神事も行われるのでしょうか。座っていると、心地よい波動に包まれます。
ヨーガのアーサナをすると、身体が心地よいのです。身体が心地よいと、心も心地よいのです。心身一如です。
呼吸法をしました。自分が呼吸をしているのに、宇宙が呼吸をしているような、この感覚も、また心地よく感じられました。
そうして、自然に、瞑想に成りました。
遠くで、三線(さんしん)の音がして、沖縄民謡が聞こえてきます。
体に沁み通って・・・消えていきました・・・・。
三線は、ニシキヘビの皮を張ったもので、この三線のよいところは、音を聞くだけでリラックスできる効果が高いといわれます。島の人たちが、明るくリラックスしているのも、三線の効果が一役かっているのかもしれません。
このような体験をした夜、東京に戻りました。私の身体は、都会の騒音に戸惑っている感覚がありました。改めて石垣島、竹富島、西表島のありがたみを感じました。
合宿の準備をしてくださった方々、また貴重な時間を割いて合宿に参加してくださった方々に、改めてお礼を述べたいと思います。本当にありがとうございました。
2023年3月25日 望月 勇