ヨガの友として共に生きた、かけがえのない日々 (1)
-- 大谷朱美さん、私たちは決してあなたを忘れません --
今から語る話は、私のプラーナヨーガを、岩手の難病の人たちへ１０年間もの間、たった一人で無料で教え続け、そしてご自身はガンになり、難病センターの人々に惜しまれて亡くなって行った大谷さんと、その２人のヨガ友の交流をまとめたものです。
仙台に住むAさんは、２０１７年１月３０日の仙台のヨガ教室で、大谷朱美さんを待っていました。
Aさんの話では、「待ち合わせなどしなくてもいつものように大谷さんと会えると思い、私は会場のロビーで彼女が現れるのを待っていました。が、その日はいっこうに現れる気配がありません。それで、携帯に電話をかけてみましたが、応答がありません。何度かけても、メールを送っても反応がありませんでした。」 といいます。
ヨガ教室が始まって、担当者のCさんから、「大谷さんは、今日は具合が悪いかもしれません」 と言われ、Aさんは驚きました。
「ヨガの数週間前に大谷さんからヨガで会おう！その時はまたいっぱい話そう！と、メールをいただいていたし、私が最後に大谷さんと会ったのは望月先生の仙台ヨガの時（昨年2016年9月）でとても元気でしたので。ですから、どんな風に具合が悪いのか私には見当もつきませんでした。」 とAさんは当時を思いだしました。
仙台ヨガの担当者Cさんは、１９９３年９月２５日に、ロンドンで私の気功治療を受け、その後、私の水曜日夜８時のヨガのクラスに参加していました。ご主人が、ロンドンの日本人学校の先生をしていました。
大谷さんも、その頃、同じヨガのクラスに参加していました。というのは、１９９４年８月５日に、大谷さんの紹介で、梅若さんという３０代の能楽師の男性が、左膝を痛めて治療に来たからです。彼は、ロンドンへお能を教えに来ているということで、時間がゆるせば日曜日のヨガに参加してみたいといっていましたが、その機会はありませんでした。
Aさんは、２００４年８月２４日に、私の気功治療を受けに来られ、水曜夜８時のヨガ教室に参加していました。当時３６歳で英国に４年滞在して、テキスタイルの仕事をしながら、学校へ通っていました。
私は、AさんやCさんのことは、お二人からいろいろお聞きして知っていましたが、大谷さんのことになると、皆目見当がつきませんでした。
私は、今思い出してみると、大谷さんのことはほとんど謎のままでした。毎週水曜日の夜８時にヨガのクラスに熱心に来られましたが、彼女はまったくご自分のことを話すことはなかったからです。
彼女のことは、他人から英国で女優をしているとか、テレビの眼鏡のコマーシャルに出ているとか聞いていましたが、本当に女優さんなのかどうかは疑問でした。
Aさんの話では、「大谷さんは女優のキャリアについて、ご本人からは全く話されることはありませんでした。」 といいます。
「『考えてみると私は生まれてからずっと金銭的にも比較的恵まれた環境にいたせいで、女優の仕事も必死に頑張る事をしなかったのね。道楽というか…』 などとおっしゃっていた事がありました。」 といい、「そんな、肩ひじ張らない、傲慢にもならないところがピュアな大谷さんらしい魅力だったのですね。」
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