チベットとネパール思索の旅 (7)
ポタラ宮殿
チベットの旅行のハイライトです。歴代ダライラマが住んでいた宮殿で、ユネスコの世界文化遺産に登録されています。山を利用して作られた宮殿の威容は、青い空を背景に、見る者を圧倒させます。(#10)
宮殿は、高さが100メートルくらいありますので、天辺まで登ると、ちょうど富士山と同じ高さ、標高3,700メートルくらいになります。そのため、登る時に両足が重く、ダルさ感じて、ゆっくり動かないと息が上がり、身体にかなり負担を感じます。
階段を上に登っていくと、遠くに褐色の山々が見渡せます。そうして、休み休み登って行く時に、何かに歓迎されている気配を感じました。
後で分かったのですが、Tさんが撮ってくれた写真には、太陽の一条の光が、私の背後を射していました。(#11)
(#10) ポタラ宮殿。著者撮影
(#11) ポタラ宮殿の後光。谷家理香さん撮影
龍について
私は、小学生の時は、ずいぶん変わった子供だったようです。とにかく学校ではほとんど話さなかったようです。通信簿のコメント欄をみて、一言も話さない静かなお子さんです、とまた書かれている、と母に告げられました。今だったら、恐らく自閉症と言われて、問題になっていたかもしれません。後年、私の同級生たちに会うと、「勇ちゃんの周りには、いつも静寂な風が吹いていた」 と言われました。
実は私は、幼い頃から周りの日本の風景に、いつも違和感を感じていました。もちろん、緑の山々は大好きですが、それとは、ちょっと違うのです。それが、何であるのか、今回チベットへ来て分かったような気がしたのです。それは、褐色の岩山と、冷たい、乾燥した空気に感じる親和感でした。
そして、あの守護霊の声が、「あなたは、今世、日本に初めて輪廻しました」、と言っていた意味が理解できました。
なぜか私は、寒い空気の澄んだ中で、校庭で一人無口で、真っ白な富士山を見ると落ち着きました。私の生まれ故郷は富士宮で、いつも富士を仰ぎ見ることができました。その親和感が、チベットに来て見て、よく分かりました。
私は、今回チベットの山々を見て、若い頃、最初に北インドを訪れた時のことを思い出しました。まったく理由が分かりませんでしたが、私は突然、感極まって泣きだしました。慟哭でした。それは、抑えることができませんでした。その体験を経験済みでしたので、今回のチベットでは私は感情を自制できました。
それから、チベットへ来て気がついたのは、龍があちこちにいることでした。龍とは、龍の形をした雲のことです。不思議な形をした龍がうようよいます。(#12, 13) このチベットの褐色の岩山と、標高の高さが多くの龍を生むのかもしれません。
(#12) チベットのラサの龍。野口知江さん撮影
(#13) チベットのラサの龍。野口知江さん撮影
一方、日本の山々は、緑が多くて美しく、私は森も大好きですが、この森の神様は、世界共通して蛇やキツネになります。日本ではキツネはお稲荷さんになります。蛇も神様で、神社のしめ縄になります。あれは、二匹の蛇がつるんでいる姿なのです。
また、ギリシャにも森の神様、蛇がいました。ギリシャへ行くと分かりますが、島々は、緑のない岩山が聳えています。
ギリシャの山々は、もともとはげ山ではなくて、5,000年前頃にはレバノン杉におおわれた緑豊かな山々でした。ギリシャの美術館へ行って不思議に思ったことはありませんか。古代の皿や壺に、大きな木造船が描かれているのです。こんなはげ山ばかりで、どこからこの材木を運んできたのだろうか、というのが多くの人々の疑問でした。
近年、その理由が分かりました。ボーリングの地質調査をして分かったのです。5,000年前の地層から、レバノン杉の花粉が多量に見つかったからです。花粉の結晶は破壊されにくくて、2~3万年も残るそうです。ですから、5,000年前のギリシャは、鬱蒼としたレバノン杉におおわれた緑豊かな島々だったのです。 それが古代ギリシャでは、多くの船や神殿に必要な樹木を、山々から切り出して使ったために、雨季になって山の表土が流されて、夏になるとセメントのように表土がかちかちになり、植物が生えなくなったのです。いってみれば、人間の自然破壊ではげ山になったのです。
大古の昔、緑に覆われたギリシャの山々には、蛇が多く住んでいました。ギリシャのメドゥ―サという髪の毛一本一本が蛇になった女神がいますが、これも本来は森の幸運の女神でした。その奇妙な彫像がはげ山の遺跡から見つかったので、キリスト教では邪悪な神にされてしまいましたが。
ちなみにレバノン杉の本場、レバノンはレバノン杉が国旗になっているくらいですから、さぞかしレバノン杉が一杯あると思います。が、現在たった二カ所の谷間にしかレバノン杉は残っていません。木目が美しいので高級な建築材としてほとんどがヨーロッパへ切り出されてしまったのです。
このように、緑豊かな森林におおわれた自然の中では、蛇が神様や女神になってきました。その一方で、森のない、標高の高いヒマラヤには、龍が神聖なシンボルになって来たように思えるのです。何年か前に訪れたブータンでも、国旗が龍でした。
そして、私は、なぜか龍に縁があるように思えるのでした。その発端は、札幌でヨーガの講習会があり、終わった時に、ある女性から、「先生の右側に、赤い龍が見えていました。あれは何でしょうか?」 という質問をされました。彼女は、特別な能力のある人ではなく、龍を見たのは初めての体験だというのです。
ちょうどその時、横に座っていた女性が、「それは、きっと先生の龍です」 と言いました。彼女はマヤ暦を勉強しているので、そう答えたのでした。そして、マヤ暦を見てもらうと、私の顕在と潜在の両方が1番で、これは大変珍しいと言われました。
彼女の説明によると、私のマヤ暦は、太陽の紋章(顕在意識) が赤い龍 1で、ウエイブスペル(潜在意識) が赤い龍 1です。KINナンバーは1番です。そして、赤い龍は、「生命の尊厳」の紋章で、太陽の紋章・ウエイブスペルが同じなのは、表裏のない人です、ということでした。
それから、6年が経ってから、ロンドンで気功の施術を受けた女性が、その話を聞いて、マヤ暦を専門に勉強しているので、先生の生年月日を調べさせてください、色々なことが分かりますから、というので教えたことがありました。そして、後日、以下のようなお返事がありました。
「それから、生年月日も教えていただきありがとうございました。
マヤ暦のカレンダーで先生のkinナンバーを調べてみたところ、なんと1番でした.
260ある中で1番です。
先生のヨガクラスに通っている友達に伝えたら、元旦生まれよりもインパクトがあるねと言ってましたが、本当ですね。
先生がおっしゃっていた通り、kinナンバー1番の人は太陽の紋章(顕在意識)もウェイブスペル(潜在意識)も、どちらも「赤い竜」です。
キーワードは『生命を育む・生み出す』『母性力』『熱血』。
愛情豊か、プライドが高く集中力がずば抜けており、命を大切にすること-動植物や人のお世話が得意。
『銀河の音』もやはり1で、『決断力があり、どんな人にも物にも公平・平等にふるまうことができる。リーダー的要素を持っているので、周りに人が集まりやすく、とても信頼される。』だそうです。
とても当たっていますね。
マヤ暦興味深いです。」
その後に、以下のメールが届きました。
「私はその主婦の方のように龍は見たことがないのですが、 前回の施術後、先生のお宅を出てWest Finchleyのプラットフォームに着いて空を見上げた瞬間、 龍のような雲がドーンと目の前に現れ、あ、先生の龍? と思ったんです。写真を添付しますね。 後ろを振り返っている龍です。」(#14)
(#14) ロンドン、フィンチレイの龍。ベル貴美子さん撮影