こころの持ち方 (5)
俯瞰する眼と系統樹
動物は、眼を獲得してから俯瞰することを学びました。人間もそうです。古今東西の芸術家や科学者が、俯瞰図を描いたり、精工な地図や飛行機を作ったりしたのも、俯瞰したいと言う欲望があったに違いありません。
系統樹もそうです。古くはダーウインの時代から生物学的知見に基づいて、生物の進化の様子を樹に例えて作成されました。
最近では、遺伝子の解析による分子系統樹が、より正確に生物の進化を表すようになりました。
生命の進化系統樹によると、出発点に古細菌の微生物がいます。それが、原核生物(核膜のない、バクテリアなど)と、真核生物(核膜のある、真菌や原虫など)の二つに分かれます。人間は真核生物から進化したといわれます。
今、地下1000メートルくらいにある帯水層(古代の水)に、謎の微生物がいるということが分かってきました。これまでの微生物より微小で、遺伝子の多くが欠落している奇妙な微生物で、CPRと略称される古細菌です。普通の生物が生きていけない地下深部で多数見つかっています。もしかすると、CPR古細菌は、地球で最初に誕生した生命の名残を残す微生物かも知れないといいます。今、生命の起源は、海ではなくて、陸ではないか、という説も出ているくらいです。
これら微生物とは別に、ウイルスがあります。ウイルスは、自分で増える機能を持っていませんので、生物ではないといわれています。しかし、情報は持っているので、他の生物の細胞に寄生してインプットすれば、自分を増やすことができます。
ウイルスは、脂質に包まれると生物になり、それが剥がれると物質になります。だからウイルスは、アルコールなどで脂質をとると死ぬのではなく、壊れて物質になるのです。ウイルスは壊れないようにするには、人間に寄生して脂質をまとう必要があるのです。だから、いま大流行をしているコロナウイルスは、アルコールで消毒して、感染者と接触をしなければ、やがて壊れてなくなるということです。
私が中学生の頃、近所でタバコ農家がありました。そのタバコの葉っぱが病気になるのです。農家のおじさんが病気の葉っぱを集めて、火で焼いていました。
今思うと、それはタバコモザイクウイルスが病気にさせていたのです。タバコモザイクウイルスは、ウイルスでありながら、結晶化するのです。
南方熊楠の粘菌は、植物であり、植物ではなく、動物であり、動物ではないのです。
死も生もなく、不生不滅なのです。まさに、タバコモザイクウイルスは、結晶になったら、物質になり、不生不滅ですね。人間も、死も生もなく、不生不滅です。死んだら宇宙エネルギーになるのです。
このように生命の進化系統樹を俯瞰していくと、すべてが繋がっていて、一つとして単独で存在しているものはありません。まさにこの宇宙は、曼荼羅です。私たちは、宇宙を織り成すタペストリーの一本一本です。そう考えると、自分はかけがえのない存在で、愛そのものであると分かります。まず、自分を愛すること、そこから、周りや世界が変わって行くのです。あなたが悲しめば、全宇宙が悲しみ、あなたが喜べば、全宇宙が喜びます。
私の経験でいうと、知りたいという気持ちを持ち続けるとその情報が向こうからやって来ることがあります。これは、シンクロニシティ(共時性)かもしれません。
最近も、学習院から東大へ進み、社会で活躍している息子さんの母親から、令和天皇がお書きになった本 『テムズとともに』(徳仁親王著)を頂きました。
そのご著書の中に、「(略) 私は訪ねて来た学生に持ち合わせの煎餅を出すことがあった。海苔の巻かれた煎餅は好む人とそうでないない人とがはっきりと分かれ、興味をそそがれた。イングランドの人は海藻に抵抗があるのだろうか。後にウエールズに行った折、『私たちは日本人と同じく海藻を食べます』とスピーチをした人があったが、これは海藻を食べることに関して、ウエールズ人の方がイングランド人よりも日本人に近いという意味が言外に含まれているのかも知れない。」
この文章を読んで、ウエールズ人は、本当に海藻を食べるのだろうか、という疑問を持ちました。ちょうどそんな時、テレビを見ていたら、ウエールズでは海苔の黒いペーストをパンに塗って食べている光景が写しだされました。これは、まさにシンクロニシティだと思いました。
どうか皆様も、色々なことに興味を持って暮らしてみてはどうでしょうか。シンクロニシティが、生活を豊かにしてくれます。生きている、今、に心を置いて。
動物は、眼を獲得してから俯瞰することを学びました。人間もそうです。古今東西の芸術家や科学者が、俯瞰図を描いたり、精工な地図や飛行機を作ったりしたのも、俯瞰したいと言う欲望があったに違いありません。
系統樹もそうです。古くはダーウインの時代から生物学的知見に基づいて、生物の進化の様子を樹に例えて作成されました。
最近では、遺伝子の解析による分子系統樹が、より正確に生物の進化を表すようになりました。
生命の進化系統樹によると、出発点に古細菌の微生物がいます。それが、原核生物(核膜のない、バクテリアなど)と、真核生物(核膜のある、真菌や原虫など)の二つに分かれます。人間は真核生物から進化したといわれます。
今、地下1000メートルくらいにある帯水層(古代の水)に、謎の微生物がいるということが分かってきました。これまでの微生物より微小で、遺伝子の多くが欠落している奇妙な微生物で、CPRと略称される古細菌です。普通の生物が生きていけない地下深部で多数見つかっています。もしかすると、CPR古細菌は、地球で最初に誕生した生命の名残を残す微生物かも知れないといいます。今、生命の起源は、海ではなくて、陸ではないか、という説も出ているくらいです。
これら微生物とは別に、ウイルスがあります。ウイルスは、自分で増える機能を持っていませんので、生物ではないといわれています。しかし、情報は持っているので、他の生物の細胞に寄生してインプットすれば、自分を増やすことができます。
ウイルスは、脂質に包まれると生物になり、それが剥がれると物質になります。だからウイルスは、アルコールなどで脂質をとると死ぬのではなく、壊れて物質になるのです。ウイルスは壊れないようにするには、人間に寄生して脂質をまとう必要があるのです。だから、いま大流行をしているコロナウイルスは、アルコールで消毒して、感染者と接触をしなければ、やがて壊れてなくなるということです。
私が中学生の頃、近所でタバコ農家がありました。そのタバコの葉っぱが病気になるのです。農家のおじさんが病気の葉っぱを集めて、火で焼いていました。
今思うと、それはタバコモザイクウイルスが病気にさせていたのです。タバコモザイクウイルスは、ウイルスでありながら、結晶化するのです。
南方熊楠の粘菌は、植物であり、植物ではなく、動物であり、動物ではないのです。
死も生もなく、不生不滅なのです。まさに、タバコモザイクウイルスは、結晶になったら、物質になり、不生不滅ですね。人間も、死も生もなく、不生不滅です。死んだら宇宙エネルギーになるのです。
このように生命の進化系統樹を俯瞰していくと、すべてが繋がっていて、一つとして単独で存在しているものはありません。まさにこの宇宙は、曼荼羅です。私たちは、宇宙を織り成すタペストリーの一本一本です。そう考えると、自分はかけがえのない存在で、愛そのものであると分かります。まず、自分を愛すること、そこから、周りや世界が変わって行くのです。あなたが悲しめば、全宇宙が悲しみ、あなたが喜べば、全宇宙が喜びます。
私の経験でいうと、知りたいという気持ちを持ち続けるとその情報が向こうからやって来ることがあります。これは、シンクロニシティ(共時性)かもしれません。
最近も、学習院から東大へ進み、社会で活躍している息子さんの母親から、令和天皇がお書きになった本 『テムズとともに』(徳仁親王著)を頂きました。
そのご著書の中に、「(略) 私は訪ねて来た学生に持ち合わせの煎餅を出すことがあった。海苔の巻かれた煎餅は好む人とそうでないない人とがはっきりと分かれ、興味をそそがれた。イングランドの人は海藻に抵抗があるのだろうか。後にウエールズに行った折、『私たちは日本人と同じく海藻を食べます』とスピーチをした人があったが、これは海藻を食べることに関して、ウエールズ人の方がイングランド人よりも日本人に近いという意味が言外に含まれているのかも知れない。」
この文章を読んで、ウエールズ人は、本当に海藻を食べるのだろうか、という疑問を持ちました。ちょうどそんな時、テレビを見ていたら、ウエールズでは海苔の黒いペーストをパンに塗って食べている光景が写しだされました。これは、まさにシンクロニシティだと思いました。
どうか皆様も、色々なことに興味を持って暮らしてみてはどうでしょうか。シンクロニシティが、生活を豊かにしてくれます。生きている、今、に心を置いて。
2020年4月20日 望月 勇