三井さんの死が教えてくれたこと 1
三井嬉子さんが、11月23日に永眠されました。享年83歳でした。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
三井さんとの思い出
三井さんは、私が来日する折、時々気功治療の施術に来られました。数年前には、大腸癌の手術をし、転移もなく完治したことがありました。
それから、お腹の傷も癒えて、ヨガもできるようになった頃に、左の胸が重く感じられ、時々深い咳をするので、検査をしました。肺腺癌と診断されました。大腸癌の転移ではないということでした。
その後、左の肺を三分の一切除する手術を受けました。そして医師から、抗がん剤よりオプジーボ治療が三井さんに合っているというので、その治療を続けました。かなり強い湿疹の副作用がでましたが、肺腺癌はやがて寛解しました。湿疹は、半年位前からなくなってきていました。呼吸法も、今までと同様にできるようになりました。
三井さんは、朝一人で2時間みっちりヨガをやり、ときどき2時間半のこともあるといいます。ヨガをするのが本当に楽しいというのです。そして、ベランダに来る小鳥たちに餌をやって、それを眺めている時が、至福を感じるといっていました。それから、近くへ散歩に出かけるというのです。ヨガをやっていなかったら、心を内側に向けるこのような生活は、絶対無理でした。コロナ禍も、私にはよかったと思いますと話してくれました。
11月2日に、スペシャルオリンピックス日本会長の三井さんから 「広島で11月3日から6日まで4日間、スペシャルオリンピックスが開催されます。今までコロナで中止されていたので、久しぶりの大きなイベントになります。明日から高円宮妃の御成で、6日に空港にお見送りするまでアテンドをします。アスリート、ボランティアなど大会参加者すべてが、事故やトラブルに巻き込まれることなく、無事に大会が終了しますように気をお送りください」 と依頼がありました。
私は了承して、「広島のスペシャルオリンピックスがすべて上手くいき、大成功になりますように気を送りますので、どうぞ明るく頑張ってください」 と励ましました。
翌日、三井さんから、「秋晴れの気持ちの良い朝を迎え、きっと何もかも上手く行くと思うと、久しぶりにアスリートやコーチ、ボランティア達に会えることで、ワクワクして広島に向かっています」 とメールが届きました。
そして最終日、11月6日に、三井さんからメールが届きました。「3日からのナショナルゲームがすべて上手くいき、怪我やトラブルもなく無事に終了致しました。妃殿下をお見送りして、これから東京に戻ります。少々疲れましたが、アスリートの喜ぶ姿や頑張る様子を久しぶりに間近に見られ、ファミリーやボランティアのみなさんとも会えて、とても濃密な心温まる楽しい時間を過ごすことが出来ました。毎日気を頂いて、自信を持って過ごすことが出来ました。ありがとうございました。」
私は、「ご無事に終わりよかったですね。今、この瞬間にしか体験できない魂の時間、永遠の時間、カイロス的時間を味わったのです。素晴らしいことです。本当にご苦労さまでした。どうぞごゆっくりお休みください」 と返信しました。
そして11月15日に、私が17日にロンドンへ発つ前に、気功治療を受けることができました。この時が、三井さんとお会いした最後になりました。この日の三井さんは、少女のように純粋でした。「スペシャルオリンピックスも、直接対面でお会いすると、やっぱり全然違いますね」 とおっしゃっていたのが印象的でした。