AIの時代に幸せに生きるヒント 2
最近はテレビや雑誌を見ると、いかに寿命を延ばすかに関心が集まっているようです。人工知能を駆使して健康になろう、薬を飲んでアンチエイジングや寿命を延ばそうと、いかに長く生きるかに関心があるようです。
人間であれば誰でも健康で長生きしたいと思います。それはそれでいいことですが、「長生き」よりも大切なことを見落としていないでしょうか。つまり「どう生きるか」という本質です。
この本質を見失って、ただ単に長生きを求めるだけでは、病気にならないように生きるだけの守りの姿勢に入ってしまって、結果として脳の若さが失われてしまいます。
大切なのは、いま生きている時間の中身です。日々自分の限界に挑戦する姿勢なのです。ただテレビを見て、SNSや週刊誌を読んで受け身で生活していると、脳の若さが失われます。反対に問題意識を持って挑戦すると、ドーパミンが増え、報酬系が活性化して、前頭葉のネットワークが強靭になり、生き生きとして若々しくなります。
そのようなことを考えてNHKのテレビを見ていたら、問題意識を持って挑戦しているお元気そうな人物が紹介されていました。オーロラに情熱を注ぐ95歳の研究者です。アラスカ大学名誉教授の赤祖父(あかそふ)俊一さんは、学生時代からオーロラに惹きつけられ、アラスカへ渡って研究を重ね、オーロラ研究の基礎をつくり、新しい理論を発表しました。その理論によって、オーロラがいつどこに現れるか予測が可能になりました。最近の能登半島のオーロラの予測もそうです。また人工衛星や通信機器が影響を受けるタイミングも予測しています。95歳になられた今も、各国の学生や研究者たちと交友を続け、最近はそれらをまとめた本も出版しました。
赤祖父さんは、「少しずつ分かっていくことがうれしい。楽しい」 と述べておられました。95歳にしてなおはつらつとしている原動力は、もっと知りたいというオーロラへの情熱なのです。
赤祖父さんの若い頃のように、私たちも、自分が何者でもないからこそ持つことができる自信は、今の自分よりもさらに上の自分を目指し、成長するための努力をすることができるのです。
私たちは、むしろ無名あっても、出世しなくてもいいのです。根拠のない自信を持って努力し、それぞれの寿命を全うする。その上で長生きできれば素晴らしいと思います。私たちは、量子もつれで全ての人々や宇宙とつながっています。私たちの限りあるいのちは、すべて光輝いて、等しく、尊いのです。