AIの時代に幸せに生きるヒント 3
ヴィクトール・フランクルの3つの価値について
さて私たちは日々健康に注意して問題なく暮らしていますが、それでも突然、思いがけない問題がやってくることがあります。特に生死に直結する病気や事故に巻き込まれたときなどです。
このような自分の存在を根底から揺り動かすような苦悩を体験すると、最初は自分を責め、他人をうらやんだりします。そうして人間は、運命の打撃のなかで、苦悩を体験することになります。その苦悩が自分を大きく成長させるといわれますが、そうなるにはどのように生きたらいいのでしょうか?そこでこの問題を考える上で、たいへん参考になるフランクル心理学を紹介したいと思います。
それではフランクルの「人生の意味」について考えてみます。私たちが「生きる意味ってあるの?」「どんな人にも生きる意味があるのかしら?」と問います。するとフランクル心理学では、「どんな人にも生きる意味がある」といいます。一人ひとりに「なすべきこと・充たすべき意味」が与えられていて、その「何か」は私たちによって発見されて実現されるのを「待っている」といいます。このような「意味」に満たされた人生を送ると、苦悩を体験することで心が豊かになり、精神的に成長するというのです。それではフランクルが示唆してくれた三種類の価値を実現し、生きる意味を見つける方法をみていきましょう。
一つ目は、「創造価値」です。自分の活動を通して、何かを創造することで実現する価値です。作り出す価値です。
二つ目は、「体験価値」です。体験すること。自然や芸術の美しさを享受したり、人を愛することによって実現する価値。与えられる、受け取る価値です。
三つ目は、「態度価値」です。事実や体験から逃れられないものであるとき、それをどう受けいれるのか、どう捉えるか、その中でどういう態度を取るのかによって実現する価値です。