コロナ禍で、自分と向き会う日々 8
生命とは何か
ここで生命とは何かをまとめて考えてみます。宇宙のすべての現象は、乱雑さが増える方角にしか進まない(エントロピー増大の法則)ので、やがて細胞や個体は死を迎えます。そこで生命は、生き延びるために、エントロピー増大から逃れるために、「先回り」 して、細胞を分解するのです。
エントロピー増大は、細胞膜やタンパク質の酸化、変性・凝集・老廃物の蓄積なのです。そして、細胞には、このエントロピー増大を、たえず外部に捨てる仕組みが備わっています。リソソーム、プロテアソーム、オートファジーなどが、細胞内の分解システムです。
この「先回り」して、細胞を分解し、エントロピー増大を切り捨てて生きる儲けの時間が、命の実在時間なのです。
死があるから私は生きている
私が今生きているのは、自分の身体の中でこういうことが起きているのです。細胞の死によって儲けの時間 「今」 があるのです。この命の時間は、なんと尊いことでしょう。そして、この 「今」 は、過去にも永遠にもつながっているのです。西田が、「永遠の今」 といったのは、このことだったのです。これは、命にとって絶対的な価値を有する、永遠に揺るぎない尊い一瞬なのです。束の間の人生にとって、何げないことは、本当はかけがえのない 「今」 を生きることになるのです。
私は、これらのことを知って、何げない日常が、本当はすごく尊くて、かけがえのない大事なことであることを痛感しました。人生を真摯に生きるとは、このかけがえのない 「今」 を生きることだと改めて認識しました。そう考えたときに、私はヨーガに巡り合えたことが幸せに思えました。本当の自分と出会うために、かけがえのない 「今」 そのやるべき方法がすでにあるからです。
最後に、もう何もすることがない、後は余生をのんびり過ごせばいいと思っている方は、ノーベル生理学賞・医学賞受賞者のアレキシス・カレルの次の言葉を参考にしてください。
「歳を取っても、仕事をやめたり、隠退したりしてはいけない。活動し続けないと、ますます時間の内容が空疎になっていくからである。
老人にとって、暇な時間というものは危険である。力が衰えかけている者には、適当な仕事が与えられるべきである。決して休息を与えるべきではない。
(略)
もし毎日が知的、精神的冒険に満ちているならば、時間は決して早く過ぎ去ることはない。
若い頃のように、充実した時間が戻ってくることさえあるのだ。」
ここで生命とは何かをまとめて考えてみます。宇宙のすべての現象は、乱雑さが増える方角にしか進まない(エントロピー増大の法則)ので、やがて細胞や個体は死を迎えます。そこで生命は、生き延びるために、エントロピー増大から逃れるために、「先回り」 して、細胞を分解するのです。
エントロピー増大は、細胞膜やタンパク質の酸化、変性・凝集・老廃物の蓄積なのです。そして、細胞には、このエントロピー増大を、たえず外部に捨てる仕組みが備わっています。リソソーム、プロテアソーム、オートファジーなどが、細胞内の分解システムです。
この「先回り」して、細胞を分解し、エントロピー増大を切り捨てて生きる儲けの時間が、命の実在時間なのです。
死があるから私は生きている
私が今生きているのは、自分の身体の中でこういうことが起きているのです。細胞の死によって儲けの時間 「今」 があるのです。この命の時間は、なんと尊いことでしょう。そして、この 「今」 は、過去にも永遠にもつながっているのです。西田が、「永遠の今」 といったのは、このことだったのです。これは、命にとって絶対的な価値を有する、永遠に揺るぎない尊い一瞬なのです。束の間の人生にとって、何げないことは、本当はかけがえのない 「今」 を生きることになるのです。
私は、これらのことを知って、何げない日常が、本当はすごく尊くて、かけがえのない大事なことであることを痛感しました。人生を真摯に生きるとは、このかけがえのない 「今」 を生きることだと改めて認識しました。そう考えたときに、私はヨーガに巡り合えたことが幸せに思えました。本当の自分と出会うために、かけがえのない 「今」 そのやるべき方法がすでにあるからです。
最後に、もう何もすることがない、後は余生をのんびり過ごせばいいと思っている方は、ノーベル生理学賞・医学賞受賞者のアレキシス・カレルの次の言葉を参考にしてください。
「歳を取っても、仕事をやめたり、隠退したりしてはいけない。活動し続けないと、ますます時間の内容が空疎になっていくからである。
老人にとって、暇な時間というものは危険である。力が衰えかけている者には、適当な仕事が与えられるべきである。決して休息を与えるべきではない。
(略)
もし毎日が知的、精神的冒険に満ちているならば、時間は決して早く過ぎ去ることはない。
若い頃のように、充実した時間が戻ってくることさえあるのだ。」
(『人間この未知なるもの』 三笠書房)
2020年12月8日 望月 勇