コロナ禍の自粛生活で、想念を検証する 6
探し求めて
私は、20代半ばにどうしょうもない閉塞感を感じて、日本を脱出しました。私は、何かを一生懸命追い求めていました。行動して、何かを手に入れて、達成しなければならないと感じていました。今思えば、その何かを追いかける行為は、恐れから生じていたのです。それは、自分が本当に望むものを持っていないという恐れでした。
私は、5年間、ヨーロッパ、中東、インドなどを放浪しましたが、何も手に入れることはできませんでした。そして、旅を終えてヨーガを始めました。自分の内側に目を向けて、初めて探し求めていたものが、自分の中にあることを知りました。外に探し求めてもなかったのです。それは、まさにチルチルミチルの青い鳥でした。
人生で実現したい強い願望がある時、それを必死で追い求めようとすれば、宇宙エネルギーに対抗するだけです。そこに到達したいと思うなら、ありのままを受け入れることです。これは努力を必要としません。
それは、達成しなければならないという恐れから解放される感じです。この宇宙は、すべて一体であり、一つなので、手に入れたいと思っているものは、すでに自分の中にあることを意味しています。不思議なことに、手に入れようと努力しなくても、必要なものは、必要な時に向こうからやってきます。
自分を愛すること、本当の自分でいることができれば、真に自分に必要なものは、私が受け入れられるレベルに合わせて実現するからです。
私たち自身は、自分の生きたイメージであって、それを自分の身体に投射しているのです。自分の感情、意識的な考え、無意識的な考えが、私たちの物質的な身体を変えたり、形づくっているのです。
同様に、自分の感情や考えが自分の経験をつくることや、たまたま自分の身に降りかかるように見える出来事が、自分の心の中で自分自身によって引き起こされているということを理解するのは、それほど容易ではないようです。
以前、ロンドンで災難続きの女性に、「あなたのその考えを変えてみたらどうですか?」 と言ったら、即座に 「考えを変えてよくなるなら、人生は苦労しません」 と言われました。
たとえば悪を憎むこと(自分にとって悪に見えるもの)は、憎むことに清々しさを感じるかもしれません。しかし、憎しみや悪に注意を集中していたら、自分がそれらをつくり出していることを意識しなければなりません。清貧が正しいと思い、富裕な人々を軽蔑の目で見たり、お金は悪いものと思っていると、あなたの貧しい状態を強化してしまいます。また病気の自分を憐れみ、健康な人をうらやんだりすると、ますます自分の病気を長引かせてしまうことになるのです。また気づかないうちに、自分が多くの病気をしてきたことを特別に思って、他人よりも優越感を抱いたりしていないでしょうか。このようなことが、自分の心の中で知らず知らずに起きているということを理解するのは難しいのです。