アイルランドの遺跡の旅 3
時間を検証する
私は、これらの時間超越の体験を検証してみることにしました。そして興味深いことに気づきました。
そもそも時間は、本当に前に進み続けるだけでしょうか? 科学の本を読むと、ニュートンの 「物理学」、マックスウェルの 「電磁気学」、アインシュタインの 「相対論的物理学」、そしてボーアとハイゼンベルクの 「量子物理学」 も含めた科学の分野はみな、「時間の前進を必要としない数式」 に基づいて成り立っているということです。
また量子論では、観察者効果というものがあり、ある現象を観察することで、その現象に影響を与えたり変化させたりするというのです。そして、脳波が超越した感覚状態を実現するという仮説もあります。
私の一回目の体験は、「道が間違っていないだろうか?」 この状態の脳波は、ベータ波と言われています。意識、理性、論理、活発な思考過程を示し、注意を怠らない、仕事に精をだしている、夢中で考えているという状況です。
その後、案内人が現れて私は、「大丈夫だ。絶対に間に合う」 こう思いました。するとベータ波からアルファー波の状態に移ります。アルファー波は、主にリラックスする、達観する、空想する、といった場合に生じます。そして私が、間に合ってよかったというイメージが続いて歩き続けたので、シータ波がでたかもしれません。ランナーズハイといわれている脳波です。このアルファー波かシータ波がでれば、超越した感覚が得られ、時間が伸びるのではないでしょうか。
私は、案内してくれる女性を必死になって追い、彼女がこんなに速く歩けるのが不思議でした。その時、私には、なぜか私の周りだけ時間がゆっくり伸びていくような感覚がして、私はかなり速足で必死に後を追いかけました。今になって思うと私にアルファー波(あるいはシータ波)がでていて、超越した感覚を得て、きっと時間がゴムひものように伸びたのかもしれないと思えました。
次に二回目と三回目の体験ですが、車中で私は、「このフライトをミスしたら、ヨガ教室や治療の予定が狂ってしまう」 と必死に思い、頭の中で映画のスクリーンを見るように、自分が空港に時間どおりに到着している場面を鮮明に思い浮かべました。
それから、私が行くことによって、皆様が喜んで恩恵をもたらしていることを考え、皆様のために、絶対遅刻せずに着こうという思いを持ちました。そして目的地に到着するまで、そのスクリーンを繰り返し想像しました。この時、私の脳波は、ベータ波になっていたと思います。
次に、その強い思いを捨てて、自分が時間通りに着いて、喜んでいる姿をスクリーンの映像で思い描きました。この時、私の脳波はアルファー波になっていたと思います。