竹富島で日本人のルーツを考える

言葉から見えてくるもの 9


 私の砂漠でのワディのルートを選ぶときの葛藤もそうでした。左脳が、待て、危ない、引き返せ、水と食べ物がなくなる、不安、怒り、自己嫌悪などは、左脳の働きによるものでした。反対に、大丈夫だ、どちらか一方へすすめば何とかなる、というのは右脳の働きによるものでした。
 そのように考えていくと、「生かされている」 というスピリチュアルな意識が、私を救ってくれ、私の人生に不思議な力を与えてくれた、と思うことができたのは、まさに右脳が働いたからだと気がつきました。

 彼女は、左脳が完全に機能停止して、右脳で安らかな多幸感以外は何も感じなくなりました。以前の人生で経験した感情もすべて無くなりました。それから8年かけて左脳が回復し、悩みや罪悪感や、恥ずかしい感情と、他の魅力的な感情もすべて取り戻したそうです。
 そして彼女は、ニルバーナのような安らかさも素晴らしいけれども、それ一辺倒ではなくて、人生さまざまな感情を抱くことで、はるかに多様で面白くなることも事実であることを発見したのです。負の感情ですら、経験を豊にし、人生をニュアンスに富んだ素晴らしいものにしてくれるということに気がついたのです。
 私にとっても、この指摘は大きな気づきになりました。

 ジル・ボルト・テイラーは、いろいろな本の著者や教師たちが、「ほんとうの自分」 というとき、右脳のキャラクター4を指しているといいます。人間の脳は現在進行形で進化しているので、左脳と右脳の両方に尊厳と敬意をもってすべてを扱うべきであるといいます。左脳と右脳のキャラクターが手を組めば、最大限の力を発揮するからです。そうすれば人類の脳はさらに進化して、科学(左脳)と宗教(右脳)が一体となる日が訪れるかもしれません。
 彼女の主張がよくわかりました。私も、左脳と右脳をバランスよく使いたいと思います。

 以上、言葉から見えてくるものを長々と書きました。最後までお読みくださりありがとうございます。


2025年8月12日   望月 勇

<<前ページ 1 2 3 4 5 6 7 8 9