量子論の不思議な世界 5
量子論の奇妙な性格
ミクロの物質は 「波」 の性質を持つ一個の電子そのものが波であり、波の性質を示しますが、どんなに高性能の顕微鏡を使っても、ミクロの物質の波を見ることはできません。電子を波と思って観察すると、電子の波は消えてしまい、電子は必ず小さな粒子になってしまうのです。
これを理解するには、電子は見ていない時は波になっているけれども、見たとたんに波が消えてしまって、粒になると考えるしかありません。アインシュタインは、この考え方には承服しませんでした。
このことから、人間の意識がどうやら量子に変化をもたらすようです。実験のレポートによると、波だったものを、粒子とて期待して見ると、すぐに粒子になるのです。また原子核の周りを回っている電子は、科学者がこんな感じだろうと意識すると、意識されたとおりの軌道をまわるというのです。
これは思考が量子に変化を与えて、現実化することを意味していると思われます。一般に、 「思いは実現する」 とよくいわれますが、量子の世界ではどうやら真実のようです。
そして、量子だけではなく、もっと大きいサイズの分子でも、このような現象が起きることが確認されています。
分子のレベルでもそうだとすると、人間の細胞レベルでもそうかもしれません。人間が思ったとおりに細胞も変わる、つまり思考が現実化してしまうということです。
月は人間が見たときに月として現れ、見ていないときには何もないという話も、量子力学ではありうるということになります。
それから、観測していないときの電子は 「こっちにもいるがあっちにもいる」 のです。そして、物質は常にあいまいな位置と速度を持つというのです。
また、未来は厳密なルールによってただ一つに決まっているわけではなく、サイコロを振って決まるような確率的なものであるというのです。
これに対してもアインシュタインは、神はサイコロ遊びのようないい加減な真理をつくったりはしない、といって量子論を認めませんでした。しかし、量子論を否定するような現象や実験結果は何一つ見つかっていないのです。