生きて死んで、そして魂のゆくえ

生きて死んで、そして魂のゆくえ 9


意識(魂・心)はどこで生まれ、どこにあるのか?

 ところで死んでも意識(魂)はなくならないといっても、意識はどこで生まれたのでしょうか? どこからやってきて、どこにあるのでしょうか? そしてどこへ行くのでしょうか? これらは科学分野では、「意識の難問」 といわれ、まだ答えはないのです。物理的な脳が属する 「精神世界」 と、心と思考、感情が属する 「精神世界」 には、とうてい埋められそうもない溝があるからです。

 専門家に言わせると、人に意識がある証拠をとらえるのは、言うは易しで、実際はずっと難しいというのです。
 脳科学の強力な最新機器で、毎週のように研究成果が報じられ、専門雑誌だけでなく、普通の新聞・雑誌でもとりあげられているので、意識と脳の関係は何でもすみずみまでわかっているかのような気になります。
 ところが専門家は、他人の脳のなかに意識の光が灯っているか、消えているかは知り得ないというのです。

  量子論の 「観察者効果」 では、観測すると波動関数の収縮が起きて、波だった光子がすぐに粒子になります。さらに不思議なことは、検出器を置くだけでも、波は粒子になるようです。波動関数は、人間の頭脳が何も見ないというだけで収縮し、見られることを察知してしまうかのようです。ある学者は、「宇宙精神(The Mental Universe)」 という論文を発表して、「物理学は宇宙が“精神的”なものであることを認めざるをえなくなっている」 と指摘し、「この宇宙と現実は精神的なものだ」 と結論づけています。

 また観察によって、人間が量子の融合体に組み込まれ 「波動関数の収縮」 が起き、「意識が収縮を引き起こす」 という言葉を使って、観察者効果を起こすのは、意識そのものだ、という研究者もいます。
 量子論の生みの親であるマックス・プランクは、物質は意識から派生したものであり、意識を避けることはできないとも述べています。

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