超越的な感覚で時間を伸ばし、思いを実現させる方法 1
不思議な体験
羽田からロンドンへ帰る時、私は物が瞬間移動するという不思議な体験をしました。これは、一般にテレポーテーションと呼ばれています。
テレポーテーションとは、以前から書物などで名前だけは知っていました。瞬間移動のことで、物体を離れた空間に転送したり、離れた場所に瞬間的に移動したりする現象です。
11月16日羽田空港は、外国人の旅行者で大変な混雑でした。私はJALのラウンジで、iPadと iPhoneの新旧2機種を見ていて、新しいiPhoneをバッグの上に置き、旧いiPhoneを操作していました。その時、外国人が私の前で屈んだのかふわと風を感じました。ラウンジは混んでいましたので、別に気に留めないでそのまま携帯の操作を続けていました。
さて出発時間が迫ったので荷物を整理したのですが、新しいiPhoneがないのです。どこを探しても、バッグをひっくり返してもないのです。もしかしたらダイニングで朝食を食べた時に、テーブルの上に置き忘れたかもしれないと思い直し、受付に行って携帯が出てきたら連絡して欲しいと届け出ました。
出発間際に、ラウンジから出発ゲートに連絡があり、携帯は見つかりませんでしたと報告がありました。もし忘れたのではないとすると、ラウンジで私の前を通り抜けた外国人に盗まれたのかもしれないと思いました。
私は茫然としました。通信手段はiPadでできますが、携帯がないと、今後携帯に送られてくるセキュリティコードの暗証番号などを入力できませんので、困ったことになったなと思いました。
それから携帯の紛失届けをどうするか、新しく携帯を手に入れるにはどうするかなど、様々なことを考えていました。そして、考えても心配しても仕方がないと思い、機内では本を読んで、また30分おきに瞑想をしていました。
瞑想では、最初に集中してバッグにiPhoneが戻ってきたイメージを思い描きました。それが十分にできた頃、次にバッグの中に携帯を発見して、喜んでいる姿をまぶたのスクリーンにありありと思い描きました。それから、その映像をパッと打ち消し、もう一人の自分が、自分の犯した失態に批判や抑圧をしないで、ありのままに、ただ静かに眺めているもう一人の自分の姿を思い描いたのです。それら三つを30分おきに何回も繰り返しました。
飛行機は順調に飛行して、やがて14時間後にロンドンに到着しました。機内の棚からバッグをおろしました。そうして恐る恐るバッグを開けてみました。
何とそこに、新しい黒いカバーのiPhoneが、自分の存在を主張しているかのように、光り輝いて見えるではありませんか! この時私は、初めてテレポーテーションを体験したのでした。