超越的な感覚で時間を伸ばし、思いを実現させる方法 8
感謝は、認知機能の最高のかたち
感謝は、思考、つまり 「認知機能の最高のかたち」であるとされています。この状態は、覚醒と瞑想の2つを融合させた状態であることがわかります。
ベータ波(集中)とアルファ波(リラックス)、シータ波(瞑想状態)とガンマ波(集中の極み)が融合して、より高い次元での覚醒状態をつくります。
この覚醒状態は、最高のレベルの能力を発揮するアスリートや、命の危険に直面している人が、「ゾーンに入る」、「フロー」、「ザ・ナウ」と呼んでいる覚醒した感覚です。
この覚醒状態に達するには、「考える」 のではなく、「感じる」 ことが重要です。特に自分が宇宙へどんどん大きく広がっていく状態を感じると、脳と心がつながりあって、「いまこの瞬間に存在している」と確信できるようになります。頭で考えたらできませんが、感じることができれば誰にでもできます。
脳科学でも、純粋に生物学的な観点から見ると、人間は、感じることもできる「考える生き物」というよりは、考えることもできる「感じる生き物」なのです。
観察者効果
「いまこの瞬間に存在している」と感じられると、今まで思考と感情だけで生きていたことに気づきます。自分の中には、思考と感情よりも、もっと大きな部分があり、そこから自身の思考と感情を見詰められていることに気づきます。自分のなかにある真我 (聖なるものと結びついている、常に平穏な部分)を捉えることができるようになります。その聖なるものと結びついたもう一人の自分が見る行為は、人間にとっての観察者効果に相当するものであると思います。
これは能の世界で、世阿弥が、「離見の見(りけんのけん)」と呼んでいるものに通じるものがあると思います。能を舞っている自分と、それを客席から見ている人々と、その背後にそれらを俯瞰しているもう一人の自分が、「離見の見」です。そこには能を舞う人が聖なるものと結びついて、能舞台に幽玄な世界をかもし出すのです。
以上、脳波について説明してきましたが、これらを組み合わせて、超越的な感覚をつくりだし、時間を伸ばしたり、思いを実現させることができます。
エッセイ「アイルランドの遺跡の旅」にも書きましたが、過去数回どうしてもフライトに間に合わない状況がありました。それが奇跡的に間に合ったことがあり、それを検証すると三つのことをやっていたことに気がつきました。