超越的な感覚で時間を伸ばし、思いを実現させる方法

超越的な感覚で時間を伸ばし、思いを実現させる方法 9


超越的な感覚をつくる三つのステップ

 一つ目は、時間に間に合うことに集中(ベータ波)し、二つ目はリラックス(アルファ波)して間に合って喜んでいる姿を思い描き、三つ目はその自分の姿を、聖なる高見(ガンマ波)から、もう一人の自分が眺めているのです。この三つのステップをやっていたのです。
 私は、これはヨーガのサンヤマの技法と共通していると思いました。


ヨーガのサンヤマ(綜制)

 この超越した感覚をつくる方法は、集中し、リラックス(瞑想)して、俯瞰することを、同じ対象に対して行いますが、これらはヨーガのサンヤマ(綜制)と同じことに気がつきました。
 ヨーガには八つの段階があります。ヤマ(禁戒)、ニヤマ(勧戒)、アーサナ(坐法)、プラーナヤーマ(調気)、プラーティヤハーラ(制感)、ダーラナ(集中)、ディヤーナ(瞑想)、サマーディ(三昧)の八つのステップです。
 この中で、最後の三つ、ダーラナ(集中)と、ディヤーナ(瞑想)と、サマーディ(三昧)の三つの技法をサンヤマといい、ヨーガ行法の本命はこのサンヤマにあるのです。

 サンヤマは、集中と瞑想と三昧を、同一の対象に対して行います。すると真知が輝き出るといいます。真知とは、知るべき実相を曇りなく知る知恵であるといいます。古代インド人は、意識にサンヤマをして無意識を発見し、物質にサンヤマをして原子を発見しました。そして、このサンヤマの技法から生じる超自然能力を、『ヨーガ・スートラ』 ではシッディと表現しています。

 私は、このサンヤマは瞑想を極めた人でなくてもできるのではないかと思います。つまりダーラナは、問題に集中することです。ディアーナは、その問題を様々な角度から考えることです。サマーディは、我を忘れて没頭することです。これでサンヤマの状態になります。
 たとえば、科学者たちは、日々、宇宙の真理を探究するために、一つのことに没頭し、サンヤマと同じことを行なっているのです。すると真知の光が現れて、一大発見をするのです。あたかも真知の光がおおい(カバー)を除き、真理を発見するように。まさにラテン語由来の英語DISCOVER(発見する)は、COVER(おおい)をDIS(除く)ことによって、DISCOVERE(発見)するのです。

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